note:https://note.com/nkamiya/n/n0cad243faac7
昨日(2018.10記す)、10/13(土)に行われた予選会。
駒大が圧倒的な強さで予選を通過していきましたが、
これは予選なので、一番興味深いのはどこが通過し、どこが落選したか?なんですよね。
更にその下へ目を向けると・・・多くの大学が参加していることが解ります。
予選会通過ラインの話
この通過ラインを見ると10時間46分51秒で1人あたりの
ハーフマラソン平均が1時間05分を切って、1時間04分30秒程度が必要になってきます。
スゴくざっくりと書きますが、今年からハーフマラソンへとコースが延長されましたが、昨年までは20kmで争っていたんですよね。
今回のレースからタイムを換算すると61分00秒程度だと考えられるので、例年の予選会ボーダー争いより少し上がりましたね。
気象条件にもよるので一概には言えませんが、タイムそのものはさほど変わらないと思います。
ただその争いが複数校絡んでくることによって熾烈になったということ。
今回は記念大会ということもあり、数年前からのスカウトや育成・強化での投資なども進み、
充実したチームが増えたのではないか、効果が出てきたチームが多いのではないかと考えます。
ここでキーワードが2つあります。「スピード」と「スタミナ」
各校、予選会に向けて走り込んできています。
ハーフマラソンをきちっと走り切る&目標タイムへ向けてスタミナが充足していなければ勝負することも出来ません。
ここはマストになりますね。
その上でスピードが必要になります。
61分00秒を実現しようとすると、10kmを30分30秒で2回。5000mで15分15秒で4回必要です。
このスピードを実現しようとすると、1万m29分30秒、5000mが14分15秒程度が必要になるんですよね。
あくまで平均値ですが・・・
このスピードをベースに20km(ハーフ)を目指して走り込めば箱根駅伝が具体的に見えてくる。
ただ闇雲に「走り込み」だけしても、必須となるこのスピードが追いついていないと、
ハーフを楽に走れるスタミナは付いてきて「安定感」は出ても、タイムが出せません。
ここで2択あるように思いますよね?
スタミナ(走り込み)を付けてからスピードを上げるのと、スピードを上げてスタミナを付ける。
でも、科学的知見を基に考えると・・・
同時に取り組む必要がある、というよりは「走り込み」はある程度必要にせよ、
スピードに取り組むほうが必須と考えられます。
「走り込み」主体で上手くいっているチームもあるよという場合。
そのチーム、選手たちの入学時の5000mを見てみましょう。
主力の多くがそこそこ良いタイムを持っていたりしませんか?
更に深く見るなら1500mのタイムにも着目してみましょう。
その上に「走り込み」だったり、チーム内競争があれば走力は伸びてきます。
恐らく今回の予選会で躍進を遂げたチームは秋冬の記録会で気象条件に恵まれれば大幅のジャンプアップも予想されます。
ハーフだけではない、本当に強いチームへと変貌していくチームも現れるでしょう。
ただ、そもそもこのスピードが劣るチーム、個人だと取り組むべきはこの知見に基いたトレーニングなんですよね。
メニューにこの両方をアップする内容を導入していく。
とにかく走り込めば強くなるという盲信だけでは伸び悩みます。
これはどんなエリートランナーもビギナーも同じなんですよね。
改善と改革
日々積み重ねていく「改善」。
少しでも良くしていくために工夫し、変化し、漸進性を持って取り組んでいく。
そうすることでチームも個人も強くなるので必須です。
ただ「改革」を唱える場合は注意が必要で、場合によっては大幅な「改悪」に繋がることも散見されます。
改革という言葉は便利なもので、具体的な中身を問わない、自己流や経験則に基いた方法に適用されやすいんですよね。
とにかく以前と違えば「改革」だと言えちゃいます。
本当に「改革」が必要な場合もありますが、その場合往々にして必要なところにはメスを入れず、
的はずれな「改革」をしては積み上げてきたノウハウなどを破壊してしまうこともあるんですよね。
せっかく先を見据えて以前やってきたことが「改革の名のもとに捨て去られてしまう」こともしばしば。
以前のどこは良くて、どこが悪かったかも説明できなければ理解出来ていないのと同じで・・・
大切なのはキャッチーな言葉に頼るのではなく、日々言語化し、
大小様々な改善を積み重ねた上で、「結果として改革が成る」ということ。
決して大幅に変更すること、目に見えた変化を力で推し進めないことが大事ですね。
これから恐らく「次」へ向けて、各校体制づくりや交替なども出てくると思います。
もちろん、どのチームもただ交替することより現体制にさらなる補強が出来ることが理想ですが、
なかなか予算や投資の限界もあってそうは行かず。
テコ入れとしてスタッフの交替も必要になることも出てくるでしょう。
いずれにせよ、箱根駅伝にコマを進められなかったチームは次年度を考え、新チームになります。
学生幹部も代わるところが多いですね。
その中で指導スタッフ等も交代するなら1日でも早く動く必要があるでしょう。
全日本大学駅伝の予選を終えたチームは既に新たなチーム作りに入っています。
これはスカウトでもマネジメントでも同じで、箱根駅伝予選会校はそことの競争もあります。
急がなくては日に日に置き去りになっていくんですよね。
これは人材獲得競争においては大学陸上のみならず、
実業団や高校等も手を伸ばしていきますし、クラブチームなども徐々に力を持っていくことでしょう。
更に国内だけではなく、海外も・・・
★★★
厳しい競争の中、各校の思惑と戦いはどんどん先に進んでいきます。
今日の、今回の戦いは短期的に見ただけではなく、中期長期に積み上げてきた結果でもあります。
途中で大幅に方針を変え、大きく力を上げるということは少なく、むしろ下げることも多いのが常です。
力を付けるなら我慢強さも必要です。
だけど、改善は全体必要で、弱点はない方が良い。
その弱点を補強できれば一番良いのですが・・・
そこは予算や器の問題、バックには当然大学の事情というのもあるでしょうから、難しいところです。
また、どこからどう手を付けていくかも舵取りが非常に重要になりますね。
アマチュアとは言え、非常に競争が激しい大学駅伝の現場。
人材獲得競争も熾烈になっていきます。
同じようにマネジメント改革もこれからどんどん重要性を増していくことでしょう。
アマ意識ではリスクが大きくなっています。
プロ意識をどう構築していくかも大事でしょう。
課題は山程あります。その課題をどう解決していくか?取り組むか?
多くのチームは競技そのものはシーズンが続きますが、マネジメント面での動きは大事な時期になっていきますね。
多くのファンの方も注目を。そして、あまり興味がない方々もチーム作りなどがどう動いているか?
大学スポーツ、駅伝がどう活動しているかは他の分野でも参考になると思うので興味を持って頂ければ幸いです。
昨日(2018.10記す)、10/13(土)に行われた予選会。
駒大が圧倒的な強さで予選を通過していきましたが、
これは予選なので、一番興味深いのはどこが通過し、どこが落選したか?なんですよね。
更にその下へ目を向けると・・・多くの大学が参加していることが解ります。
予選会通過ラインの話
この通過ラインを見ると10時間46分51秒で1人あたりの
ハーフマラソン平均が1時間05分を切って、1時間04分30秒程度が必要になってきます。
スゴくざっくりと書きますが、今年からハーフマラソンへとコースが延長されましたが、昨年までは20kmで争っていたんですよね。
今回のレースからタイムを換算すると61分00秒程度だと考えられるので、例年の予選会ボーダー争いより少し上がりましたね。
気象条件にもよるので一概には言えませんが、タイムそのものはさほど変わらないと思います。
ただその争いが複数校絡んでくることによって熾烈になったということ。
今回は記念大会ということもあり、数年前からのスカウトや育成・強化での投資なども進み、
充実したチームが増えたのではないか、効果が出てきたチームが多いのではないかと考えます。
ここでキーワードが2つあります。「スピード」と「スタミナ」
各校、予選会に向けて走り込んできています。
ハーフマラソンをきちっと走り切る&目標タイムへ向けてスタミナが充足していなければ勝負することも出来ません。
ここはマストになりますね。
その上でスピードが必要になります。
61分00秒を実現しようとすると、10kmを30分30秒で2回。5000mで15分15秒で4回必要です。
このスピードを実現しようとすると、1万m29分30秒、5000mが14分15秒程度が必要になるんですよね。
あくまで平均値ですが・・・
このスピードをベースに20km(ハーフ)を目指して走り込めば箱根駅伝が具体的に見えてくる。
ただ闇雲に「走り込み」だけしても、必須となるこのスピードが追いついていないと、
ハーフを楽に走れるスタミナは付いてきて「安定感」は出ても、タイムが出せません。
ここで2択あるように思いますよね?
スタミナ(走り込み)を付けてからスピードを上げるのと、スピードを上げてスタミナを付ける。
でも、科学的知見を基に考えると・・・
同時に取り組む必要がある、というよりは「走り込み」はある程度必要にせよ、
スピードに取り組むほうが必須と考えられます。
「走り込み」主体で上手くいっているチームもあるよという場合。
そのチーム、選手たちの入学時の5000mを見てみましょう。
主力の多くがそこそこ良いタイムを持っていたりしませんか?
更に深く見るなら1500mのタイムにも着目してみましょう。
その上に「走り込み」だったり、チーム内競争があれば走力は伸びてきます。
恐らく今回の予選会で躍進を遂げたチームは秋冬の記録会で気象条件に恵まれれば大幅のジャンプアップも予想されます。
ハーフだけではない、本当に強いチームへと変貌していくチームも現れるでしょう。
ただ、そもそもこのスピードが劣るチーム、個人だと取り組むべきはこの知見に基いたトレーニングなんですよね。
メニューにこの両方をアップする内容を導入していく。
とにかく走り込めば強くなるという盲信だけでは伸び悩みます。
これはどんなエリートランナーもビギナーも同じなんですよね。
改善と改革
日々積み重ねていく「改善」。
少しでも良くしていくために工夫し、変化し、漸進性を持って取り組んでいく。
そうすることでチームも個人も強くなるので必須です。
ただ「改革」を唱える場合は注意が必要で、場合によっては大幅な「改悪」に繋がることも散見されます。
改革という言葉は便利なもので、具体的な中身を問わない、自己流や経験則に基いた方法に適用されやすいんですよね。
とにかく以前と違えば「改革」だと言えちゃいます。
本当に「改革」が必要な場合もありますが、その場合往々にして必要なところにはメスを入れず、
的はずれな「改革」をしては積み上げてきたノウハウなどを破壊してしまうこともあるんですよね。
せっかく先を見据えて以前やってきたことが「改革の名のもとに捨て去られてしまう」こともしばしば。
以前のどこは良くて、どこが悪かったかも説明できなければ理解出来ていないのと同じで・・・
大切なのはキャッチーな言葉に頼るのではなく、日々言語化し、
大小様々な改善を積み重ねた上で、「結果として改革が成る」ということ。
決して大幅に変更すること、目に見えた変化を力で推し進めないことが大事ですね。
これから恐らく「次」へ向けて、各校体制づくりや交替なども出てくると思います。
もちろん、どのチームもただ交替することより現体制にさらなる補強が出来ることが理想ですが、
なかなか予算や投資の限界もあってそうは行かず。
テコ入れとしてスタッフの交替も必要になることも出てくるでしょう。
いずれにせよ、箱根駅伝にコマを進められなかったチームは次年度を考え、新チームになります。
学生幹部も代わるところが多いですね。
その中で指導スタッフ等も交代するなら1日でも早く動く必要があるでしょう。
全日本大学駅伝の予選を終えたチームは既に新たなチーム作りに入っています。
これはスカウトでもマネジメントでも同じで、箱根駅伝予選会校はそことの競争もあります。
急がなくては日に日に置き去りになっていくんですよね。
これは人材獲得競争においては大学陸上のみならず、
実業団や高校等も手を伸ばしていきますし、クラブチームなども徐々に力を持っていくことでしょう。
更に国内だけではなく、海外も・・・
★★★
厳しい競争の中、各校の思惑と戦いはどんどん先に進んでいきます。
今日の、今回の戦いは短期的に見ただけではなく、中期長期に積み上げてきた結果でもあります。
途中で大幅に方針を変え、大きく力を上げるということは少なく、むしろ下げることも多いのが常です。
力を付けるなら我慢強さも必要です。
だけど、改善は全体必要で、弱点はない方が良い。
その弱点を補強できれば一番良いのですが・・・
そこは予算や器の問題、バックには当然大学の事情というのもあるでしょうから、難しいところです。
また、どこからどう手を付けていくかも舵取りが非常に重要になりますね。
アマチュアとは言え、非常に競争が激しい大学駅伝の現場。
人材獲得競争も熾烈になっていきます。
同じようにマネジメント改革もこれからどんどん重要性を増していくことでしょう。
アマ意識ではリスクが大きくなっています。
プロ意識をどう構築していくかも大事でしょう。
課題は山程あります。その課題をどう解決していくか?取り組むか?
多くのチームは競技そのものはシーズンが続きますが、マネジメント面での動きは大事な時期になっていきますね。
多くのファンの方も注目を。そして、あまり興味がない方々もチーム作りなどがどう動いているか?
大学スポーツ、駅伝がどう活動しているかは他の分野でも参考になると思うので興味を持って頂ければ幸いです。
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